150周年記念事業「北大の日本酒」造りが始動!

<写真>150周年記念事業の準備として試験的に開発された日本酒「奥智」(撮影:広報課 広報渉外担当 長尾 美歩)

広大な敷地を誇る札幌キャンパスには、広々とした農場が備わっています。農場では、学生実習や研究で野菜などの農作物を栽培していて、ポプラ並木の側にある水田では、米づくりも行われています。昭和38年から整備されたこの水田で酒米を育て、「北大の日本酒」を造ろうという取り組みが始まりました。

札幌キャンパスを象徴するポプラ並木の側ある水田(提供:北方生物圏フィールド科学センター)札幌キャンパスを象徴するポプラ並木の側にある水田(提供:北方生物圏フィールド科学センター)

この取り組みは、教育・研究の成果物である北大のお米を多くの方々に味わっていただこうというもので、2026年に迎える創基150周年に向けた記念事業として、北大と日本清酒㈱がコラボして酒造りを行います。

しかしながら、北大では長らく食用米(うるち米)は栽培してきたものの、本格的に酒米を育てたことはありませんでした。そこで、まずは酒米の作付けにチャレンジ。この試みで収穫した酒米「彗星」に、醸造を担う日本清酒が新十津川産の「きたしずく」をブレンドし、150周年記念事業の準備として試験的に日本酒を開発しました。

準大賞「奥智」のネーミングとデザインを手がけた工学院(当時) 河崎聖也さん(撮影:長尾 美歩)準大賞「奥智」のネーミングとデザインを手がけた工学院(当時) 河崎聖也さん(撮影:長尾 美歩)

お酒のネーミングとラベルは、学生から募りました。150件の応募の中から、今回のお酒に採用されたのは「奥智」という準大賞の作品です。工学院の河崎聖也さんが考案し、ラベルのデザインも手がけました。北大のシンボルマークであるエンレイソウの花言葉「奥ゆかしさ」と「叡智」から発想したそうで、北極星があしらわれたデザインには「北大は学生を導く不動の存在であって欲しい」という思いを込めたそうです。「奥智」の販売本数は1,800本。1本720ml、価格は2,650円(税抜)で、北海道大学オリジナルショップ(札幌キャンパス インフォメーションセンター「エルムの森」内)や北大生協、千歳鶴酒ミュージアムなどで販売中です。

大賞作品「北の閃き(ひらめき)」を手がけた薬学部(当時) 野村郁子さんへ、寳金総長から記念品が渡された(撮影:長尾 美歩)大賞作品「北の閃き(ひらめき)」を手がけた薬学部(当時) 野村郁子さんへ、寳金総長から記念品が渡された(撮影:長尾 美歩)

150周年に向けてこれから造るお酒のラベルには、薬学部 野村郁子さんの大賞作品「北の閃き」が採用されます。150周年のスローガン「光は、北から」に発想を得たといい、ラベルの文字は筆を使って自分で書いたそうです。このお酒に使用する酒米「きたしずく」の生産は、この春からスタート。十分な収量を確保してオール北大米での酒造りを目指します。田植えから稲刈り、醸造にも学生が参加する計画で、職員と学生の力を結集して「北大の日本酒」造りに取り組みます。

3/21(金)、札幌キャンパス正門近くにあるレストラン「カフェdeごはん」で行われた記者発表会で、横田篤理事・副学長は「伝統文化である『酒造り』に学生とともにチャレンジします。環境にやさしい生産方法を伝え、持続的な農業の発展を考えるきっかけにしたい」と意気込みを語りました。

左から、日本清酒株式会社 川村哲也代表取締役社長、横田篤理事・副学長、北方生物圏フィールド科学センター宮下和士センター長(撮影:長尾 美歩)左から、日本清酒株式会社 川村哲也代表取締役社長、横田篤理事・副学長、北方生物圏フィールド科学センター宮下和士センター長(撮影:長尾 美歩)

150周年を迎える北大が札幌キャンパスでお米を育て、150年を超える酒造りの歴史を持つ日本清酒が、豊平川の伏流水を使って札幌の地で醸造する日本酒です。

「奥智」で北大産の酒米の可能性を味わいながら、続く「北の閃き」の完成を楽しみにお待ちください。

【文:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 長谷川 亜裕美】