2月26日(水)札幌日大高校にて2名の研究者が出張講義を実施しました。当日の講義レポートをご紹介します。
「有機化学の最前線~世界一/世界初の先に見えるもの~」理学研究院 准教授 石垣侑祐
石垣先生は、物質を形作る最も基本的な要素の一つである化学結合について講義を行いました。世界で初めて通常より17%も長い炭素-炭素結合の存在を実験的に証明した研究や、伸長した結合が柔軟性を持つことを明らかにした研究成果について紹介してくれました。未知の性質を見つける楽しさや「世界一」、「世界初」を目指す面白さを生徒たちに伝えてくれました。講義後の感想では、「炭素という一つの元素でも、さまざまな研究ができることに驚いた」とか、「社会に役立つ研究を自分もしてみたいと思った」、「結合の性質は理解できたが、どうやって作り、確認するのかもっと知りたいと思った」、「自分も教科書を書き換えるような研究に挑戦したい」などといった声が寄せられ、研究の面白さに触れる貴重な機会となりました。


日 時:2025年2月26日(水)13:30ー15:30
参加生徒:1年生 37名
「細胞の環境応答システムを見てみよう!」医学研究院 教授 大場雄介
私たちの体には約60兆個もの細胞があり、それぞれが外の環境に反応しながら、協力して体のバランスを保っています。このような「動的恒常性」のしくみを理解するには、細胞の中で何が起きているのかを観察することが大切です。今回の講義では、細胞研究を行う大場先生が、まず顕微鏡の基本について解説しました。生徒たちはレンズの性質を学んだ後、身近な材料を使って顕微鏡を組み立てるという実践的な活動に挑戦。自分の手で作った顕微鏡を使って細胞を観察することで、目に見えない世界への関心が一気に高まりました。講義の最後には、大場先生の研究内容にも多くの関心が寄せられ、「もっと話を聞きたかった」という声が多数あがりました。研究の世界への入り口として、印象深い時間となりました。


日 時:2025年2月26日(水)13:30ー15:30
参加生徒:1-2年生 28名
(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)
アカデミックファンタジスタとは?
北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(Academic Fantasista)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度は北海道の高校等を対象に29名の教員が講義を実施しています。2024年度の参加教員はこちら。
本サイトだけではなく、学内向け広報誌「北大時報」やFacebookでも講義レポートを随時更新していきます。合わせてぜひご覧ください。
Facebook
北大時報