【Academic Fantasista 2024】札幌東高校にて2名の研究者が出張講義を実施

札幌東高校にて、2名の研究者が出張講義を実施しました。当日の講義レポートをご紹介します。

「放射線を利用した生体内イメージングと治療」北海道大学病院 助教 渡邊史郎

講義では、微量な放射性同位体を体内に入れ、そこから放出される放射線の動きを検出することで、薬物動態を調べることができる核医学、について解説しました。この技術は疾患の診断に応用でき、近年では、悪性腫瘍の診断やその特徴を評価をすることも研究されていると説明しました。また、自身の研究だけではなく、大学入学後の過ごし方や医師になってからの臨床研究などについても説明し、生徒たちは将来について具体的に考えることができる時間を過ごした様子でした。 受講した生徒からは、「将来の自分の仕事について考えることができ、勉強に対するモチベーションが上がった」とか、「核医学分野の面白さを知ることができ、興味がわいた」、「学生時代の話や、医師になってからのビジョンについて考えるきっかけになり、より具体的に進路について考えることができた」などの声が寄せられました。

生徒たちへ核医学について解説する渡邊助教生徒たちへ核医学について解説する渡邊助教

日 時:2024年12月16日(月)16:00-17:30

会 場:北海道札幌東高等学校

参加生徒:1-2年生 21名

「環境と健康のデータサイエンス」環境健康科学研究教育センター 特任講師 田村菜穂美

私たちの暮らしの中に溢れている健康に関する情報やデータを読み解く「疫学」について研究する田村さん。疫学は、人々の健康を実現するために情報を集めて対策を考える学問で、医学に特化したデータサイエンスであると説明しました。具体的には、妊婦の喫煙や受動喫煙が新生児の健康にどのような影響を与えるかについて、実際のデータをもとに解説しました。また、田村さんがこれまで取り組んできた、環境と子どもの健康についての疫学研究である「エコチル調査・北海道スタディ」では、胎児期から子どもの健康状態を追跡して調査を続けていると紹介しました。受講した生徒からは、「今まで何気なくみていた資料や情報は、これほどまでの手間をかけて作られていたものだと知り、興味を持つことができた」とか、「歴史を通して疫学を学ぶことができ、面白いと感じた」との感想が寄せられました。

データサイエンスについて解説する田村特任講師データサイエンスについて解説する田村特任講師

日 時:2024年12月20日(金)16:00-17:30

会 場:北海道札幌東高等学校

参加生徒:1-2年生 26名

(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)

アカデミックファンタジスタとは?

北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(Academic Fantasista)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度は北海道の高校等を対象に29名の教員が講義を実施しています。2024年度の参加教員はこちら

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