【ACADEMIC FANTASISTA 2025】札幌第一高等学校にて2名の研究者が出張講義を実施

3月9日(月)、札幌第一高等学校にて、2名の研究者が出張講義を実施しました。高校から、当日の講義レポートが届きましたのでご紹介します。

「ベトナムと日本をつなぐ炭素の流れ―キャッサバ澱粉からリジェネラティブ農業を考える」農学硏究院 教授 信濃卓郎

土壌と植物の栄養循環を専門とする信濃教授は、ベトナムのキャッサバ栽培地を舞台に、農地の管理方法を見直すことで土壌中に炭素を蓄積させ、農業生産と地球環境の保全の両立を目指す「リジェネラティブ農業」の研究を紹介しました。講義では、現地での研究の様子や炭素蓄積の重要性についても解説したほか、キャッサバの利用や土壌に炭素を蓄える方法をテーマにグループワークを行い、生徒たちは意見を出し合いながら理解を深めました。参加した生徒からは「作物を育てることが地球の炭素循環と関わっていることを学んだ」「農業の工夫が環境問題の解決にもつながると知り興味が深まった」「炭素クレジットで作物の付加価値を高めることに繋がるのが驚きだった」といった声が聞かれました。講義とグループワークを通して、農業と環境の関係を科学的視点で考える貴重な機会となりました。

地球環境と農業の関係性について説明する信濃教授地球環境と農業の関係性について説明する信濃教授

日 時:2026年3月9日(月)16:30~18:00

会 場:札幌第一高等学校
参加生徒:1-2年生 19名

「いま学ぶアイヌ民族の歴史:先住民族と文化的多様性」アイヌ・先住民研究センター 教授 加藤博文

前半では、先住民族という概念やアイヌ民族の暮らし、そして現在の法制度における位置付けについて学び、理解を深めました。後半では、世界各地の先住民族の生活や移動の歴史に目を向け、地球規模の視点から、世界の先住民族とアイヌ民族との関わりについて学びました。また、現在学校で学んでいる歴史は、その多くが「国家を形成した社会」の立場から描かれているものであり、社会の視点から描かれるものだけでなく、国家を形成しなかった社会の歴史を学ぶことも重要だとお話しされました。生徒からは、「歴史の見方は一つではなく、教科書に出てくるように一つの物語として単純に語るべきものではないという考え方を初めて知り、とても驚きました。この講義を通して、先住民族に対する自分の考え方を見直すとともに、人類の多様性についての理解をより深めることができたと感じました」といった感想がありました。

アイヌの歴史を通して人類の多様性を紐解く加藤教授アイヌの歴史を通して人類の多様性を紐解く加藤教授

日 時:2026年3月9日(月)16:30~18:00

会 場:札幌第一高等学校
参加生徒:1-2年生 9名

(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)

アカデミックファンタジスタとは?

北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(ACADEMIC FANTASISTA)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度は北海道の高校等を対象に31名の教員が講義を実施しています。2025年度の参加教員はこちら

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