【オンライン公開開催】北海道の恐竜化石7種、北海道博物館で一挙公開(総合博物館 小林快次 教授)

総合博物館 小林快次 教授が学術協力している特別企画展「北海道の恐竜」が北海道博物館(札幌市厚別区)で開催されています(3月14日(日)まで)。北海道の恐竜化石7種が、今回はじめて一堂に会しました。昨年9月に新属・新種であることが判明し話題となった「カムイサウルス」や、日本ではじめて命名された恐竜「ニッポノサウルス」などの貴重な実物化石が展示されています。会期中の予約枠は既に満員ですが、自宅からバーチャルツアーを楽しむことができます。

北海道博物館 特別展示「北海道の恐竜」で学術協力を務めた北海道大学総合博物館 小林快次教授。北海道博物館 特別展示「北海道の恐竜」で学術協力を務めた北海道大学総合博物館 小林快次教授。ティラノサウルスがカムイサウルスを追いかけているようにみえる小林教授お気に入りの撮影スポットで
普段はむかわ町穂別博物館に収蔵されているカムイサウルスの全身骨格標本(実物)。普段はむかわ町穂別博物館に収蔵されているカムイサウルスの全身骨格標本(実物)。大きさも完成度も圧巻である

企画を担当した北海道博物館 学芸員の谷昂史さんは、「昨年6月に予定していた大規模な恐竜展が、コロナウイルス感染拡大の影響で中止となってから、なんとかそれに代わる企画展が出来ないかと検討してきました。今回は東京など本州から化石資料を借りることが出来なかったのですが、北海道大学総合博物館の小林快次教授や道内各地の博物館のご協力により、北海道の恐竜の魅力を発信する特別企画展を実現することができました。恐竜だけではなく、北海道で見つかったクビナガリュウや翼竜の仲間などの化石も展示してあります。北海道は、化石を通して白亜紀後期の海と陸と空のことが分かる地域だということも多くの方に知っていただければと思っています。コロナ対策もあって、ひとつひとつ距離をとって展示することにより、化石の一面だけではなく、ぐるっとまわって観察していただくことも可能となりました。」と展示の魅力を紹介ました。

特別展示を中心になってすすめてきた北海道博物館 学芸員 圓谷昂史さん。特別展示を中心になってすすめてきた北海道博物館 学芸員 圓谷昂史さん。カムイサウルスの全身骨格標本(レプリカ)の前で

学術協力した小林教授は、「北海道の恐竜だけで、これだけの素晴らしい企画展が成り立つことにとても感動しました。私が16年前に北海道に来たときには、予想も出来ないことでした。北海道の恐竜で、恐竜が最も繁栄した白亜紀後期の世界が空間として演出できているのがすごいです。北海道は、むかわ町穂別からカムイサウルスという日本を代表する、そして世界に誇れる恐竜化石が見つかっているだけではなく、小平町、夕張市、中川町、芦別市からも恐竜化石が見つかっています。そのいくつかについては、現在、私の研究室の学生たちが研究を続けています。ここで展示ケースに並んでいる恐竜について、近いうちに新しい発見があるかもしれませんので、楽しみに待っていてください。」と北海道の恐竜研究の可能性について熱く語りました。

本学の観光学高等研究センター 特別招聘教授でもある北海道博物館 石森秀三館長(左)と北海道大学総合博物館 小林快次教授(右)本学の観光学高等研究センター 特別招聘教授でもある北海道博物館 石森秀三館長(左)と北海道大学総合博物館 小林快次教授(右)

会期中に見学できない方のために、インターネット上でも展示の様子が公開されています。ご自宅からバーチャルツアーを体感することが出来ます。小林教授の解説動画も近日中に公開予定(※)とのことですので、ぜひご覧ください。

※小林教授の小林快次教授によるオンラインギャラリートーク「【Chapter 1】ココがスゴい! 北海道の恐竜」はこちら(2020年4月26日追記)

北海道博物館「北海道の恐竜」オンラインページはこちら

会場の北海道博物館会場の北海道博物館

■特別企画展「北海道の恐竜」

会期:2021年2月12日(金)~2021年3月14日(日)

時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)

会場:北海道博物館2階 特別展示室
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