【Acadamic Fantasista 2022】11月は3校で出張講義を実施

11月7日(月)に函館中部高校にて講義を実施しました。

「養殖魚の身体測定:水中で行うカメラ計測」水産科学研究院 准教授 米山 知良

魚体の計測を学習させたAIに、養殖魚の出荷時期を見極めさせれば、適切に管理が出来る ようになると話す米山さん。AIに使用される深層学習やステレオカメラを用いた魚体の計測方法について生徒たちへ説明しました。その後のアクティビティでは、実際に生徒がソフトを使ってデモ画像の魚体の計測を行った後、一連の作業をAIが代わりにできるようになったことを説明し、生徒たちに研究の楽しさを伝えました。生徒からは「安定した漁獲量、品質を保てるような研究を生み出し、貢献することが大切だと感じた」「漁業での人工知能の活用方法を知ることができた」など、水産研究だけでなく、AIなどの人工知能への関心も高まる授業となりました。

ステレオカメラの画像が映し出されたタブレットを手に解説する米山准教授ステレオカメラの画像が映し出されたタブレットを手に解説する米山准教授

日時:2022年11月7日(月)14:25-15:15、15:30-16:30
会場:北海道函館中部高等学校
参加生徒:1年生 約200名、アクティビティ約20名

 

11月8日(火)札幌旭丘高校にて講義を実施しました。

「折り紙の最先端技術の紹介と可能性」高等教育推進機構 特任准教授 繁富(栗林)香織

札幌旭丘高校で1、2年生に向けて実施された「学問研究会」で講義を行った繁富さん。自身の海外留学へ行くきっかけや留学先での生活を紹介し、日々の生活の中での発見や気付きが、研究に繋がると生徒たちへ話しました。また、現在取り組んでいる折り紙技術の医療分野への応用研究や、その技術をもとに起業したことなどを紹介しました。生徒からは「折り紙という身近なものが宇宙や細胞に繋がっていることに驚いた」「広く色々なものに目を向けることが大切だと思った」など、工学に関する興味の他に、ひらめきや疑問が新しい研究の発想になると話した繁富さんの言葉に、多くの感想が寄せられました。

折り紙工学の可能性について話す繁富特任准教授折り紙工学の可能性について話す繁富特任准教授

日時:2022年11月8日(火)13:15-14:25、14:45-15:55
会場:市立札幌旭丘高等学校
参加生徒:1、2年生 各講義25名程

 

11月9日(水)札幌国際情報高校にて講義を実施しました。

「新薬開発で動物も病気から救える時代に」獣医学研究院 教授 今内 覚

免疫学の分野で動物の医薬品やワクチンの開発を続ける今内さんは、がん細胞に対して免疫細胞が機能しなくなる免疫抑制について説明しました。悪性黒色腫(皮膚がん)になった患者(飼い犬)に、今内さんが開発中の免疫チェックポイント阻害薬を投与したところ、活性化した細胞が、がん細胞を攻撃して患者の腫瘍が小さくなった事例を紹介しました。臨床研究で免疫療法を続け、新薬の効果を証明してきた今内さんは、折れない心を持ち、好きなことを出来るように夢に向かって頑張ってほしいと、生徒たちへエールを送りました。生徒からは「海外での調査研究など獣医師の業務だけではないことが分かった」「新しいがんの治療法が人間だけではなく動物にも応用できることに驚いた」など、治療薬の開発や大学での研究に興味を持ったとの声が寄せられました。

生徒たちへ免疫チェックポイント阻害薬の解説をする今内教授生徒たちへ免疫チェックポイント阻害薬の解説をする今内教授

日時:2022年11月9日(水)13:20~14:05、14:20~15:05
会場:北海道札幌国際情報高等学校
参加生徒:2年生 各25名

(社会共創部広報課)


アカデミックファンタジスタとは?

北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(Academic Fantasista)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度はコロナ対策を十分に行って、札幌近郊の高校等を対象に22名の教員が講義を実施しています。22年度の参加教員はこちら

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