【Academic Fantasista 2022】北海高校で2名の研究者が講義を実施

「原生生物のジオラマ行動力学」電子科学研究所 教授 中垣 俊之

電子科学研究所の中垣さんは、真正粘菌が迷路や鉄道網設計などの問題を解く能力があることなど、具体的な事例を紹介しながら、原生生物(主として核を持つ単細胞生物)の知られざる生態と行動について解説しました。後半は、生徒たちが1人1台顕微鏡を使用して、中垣研究室で飼育している16種類の原生生物を観察。研究室の学生たちがグループに1人ずつつき、サポートしました。原生生物たちが見せる特異な行動に、生徒たちから時折歓声があがっていました。講義を受けた生徒からは「教科書などでよく見る生物を実際に顕微鏡で見ることができ、新鮮だった」「目に見えないほど小さな生命体が生きていると実感できて、とても面白かったです」「研究者の方々が親切で、気軽に質問できて楽しかった」と、原生生物への関心が高まる講義となりました。

真正粘菌について解説する中垣教授真正粘菌について解説する中垣教授

日時:2023年3月10日(金)13:30~15:00
会場:北海高等学校
参加生徒:1-2年生 36名

「数学で知る腸内環境」先端生命科学研究院 准教授 中岡 慎治

近年、腸内細菌の変化が、糖尿病といった生活習慣病に深く関わっていることが分かってきました。生命科学と数理科学の異分野融合研究に挑む中岡さんは、健康状態を維持・制御するために、腸内細菌や免疫システム、食と代謝の関わりを、論理的に理解する研究事例を紹介しました。インターネット上で公開されているデータを数学や物理の知識で解析することで、「医学に携わっていない人でも医療に貢献できる時代が訪れている」と、生徒たちに語りました。講義を受けた生徒からは「数学で可視化することで、病気の原因や病気に効果的な物質がより分かりやすくなり、応用もできることが面白いと感じた」など、数学の可能性について驚く声が聞かれました。

生命科学を数理科学で理解する研究について解説する中岡准教授生命科学を数理科学で理解する研究について解説する中岡准教授

日時:2023年3月17日(金)17:00~18:30
形式:オンライン
参加高校:北海高等学校
参加生徒:1-2年生 32名

(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)

アカデミックファンタジスタとは?
北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(Academic Fantasista)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。2022年度はコロナ対策を十分に行って、札幌近郊の高校等を対象に22名の教員が講義を実施しました。2022年度の参加教員はこちら

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@Hokkaido.univ.taiwa