<写真>牧野富太郎博士の功績などを紹介するパネル展示が行われている北海道大学植物園 温室ホール
今年は、NHK連続テレビ小説「らんまん」の影響で、植物や植物学に興味を持ったという方も多かったのではないでしょうか。ドラマは終了してしまいましたが、北海道大学植物園では、主人公のモデルとなった牧野富太郎博士の功績や植物画、北海道の植物との関わり、北海道大学植物園 初代園長の宮部金吾博士との交流などを紹介する企画展企画展「牧野富太郎と北海道の植物」が開催されています(庭園部:~11月3日(金・祝)、温室ホール:~2024年3月30日(土))。ぜひこの機会に訪れてみてください。
札幌駅からおよそ徒歩10分の立地にありながら、約13.3ヘクタールという広大な敷地を持つ北海道大学植物園。植物学の教育・研究を目的に設置された施設ですが、広く一般にも公開されています。約4,000種類の植物が見られ、季節によって様々な風景を楽しむことができます。

現在、温室ホールでは、牧野博士の功績や植物画、北海道の植物との関わりを紹介するパネルを展示しています。北海道大学植物園 初代園長の宮部金吾博士との長年にわたる交流についても、牧野が宮部にあてた手紙(北海道大学大学文書館 所蔵)などとともに紹介されています。また、パネル展示に合わせて、牧野博士ゆかりの植物のボタニカルアートも展示していますので、ぜひご覧ください。


牧野富太郎博士に関するパネル展示(左)とボタニカルアート(右)

園内にある牧野博士が命名等に関わった植物には、「牧野プランツ」マークが表示してあります。広大な園内を散策しながら、探してみてください。


牧野博士が命名等に関わった植物には、牧野プランツマークが設置されている
企画展の制作に携わった北方生物圏フィールド科学センター 植物園 准教授の中村 剛さんは、「入口はどんなことでも良いのですが、少しでも植物に興味を持った方は、植物園に来てみてください。まずは、牧野博士が命名などで関わった植物をみて、その周りの植物にも目を向けてみてください。北海道大学植物園では、北海道のものを中心に様々な野生植物を観察することができます。こうした機会に、植物や植物学、植物分類学への興味を広げていってもらえたら嬉しいです」と、話します。中村さんによると、札幌の原風景のような植生が保存されていること、本州では標高の高いところでしか育たない植物が生育していることなども、北大植物園の特徴・魅力。札幌キャンパスからもアクセスしやすい立地は、教育・研究上のメリットでもあります。

ぜひこの機会に北海道大学植物園を訪れてみてはいかがでしょうか。札幌キャンパスからの花や実の見ごろ情報は、植物園のウェブページやSNS(X、Instagram、Facebook)で御覧いただけますので、来園時の参考にしてみてください。


季節によって様々な花や実が見ごろを迎える(撮影:広報課 長尾美歩(左))


公開講義が行われることも。今年の夏には、参加者ひとりひとりが、植物園で採取した葉っぱで標本をつくり、自分だけの植物図鑑に仕上げる小学生向けワークショップが開催された
北海道大学総合博物館でも牧野富太郎博士にちなんだ展示「推し花の押し花~牧野富太郎と植物標本~」を実施中(10月31日まで(予定))です。牧野博士が採集した標本を展示しています。合わせてお楽しみください。


北海道大学総合博物館外観(左)と展示「推し花の押し花~牧野富太郎と植物標本~」(右)
【文・写真:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 川本 真奈美】
企画展「牧野富太郎と北海道の植物」
会場:北海道大学植物園 温室ホールおよび庭園部
期間:2023年7月25日(水)~2024年3月30日(土)
(※庭園部での展示は11月3日(金・祝)まで)
北海道内博物館合同展示
推し花の押し花~牧野富太郎と植物標本~
会場:北海道大学総合博物館
期間:2023年7月27日(金)~2023年10月31日(火)(予定)